あなた色に輝いて歩もう

■ 会社関係者のセクマイの方との向き合い方

堀川歩松浦智昌本人の能力や人間性を無視して、性別だけを理由に業務の内容や部署の振り分けを押し付けられることは当事者にとってはもっとも苦痛なことです。決して特別扱いを望んでいるわけでは無いので、「性別に関すること」においては「本人の希望を融通してもらえる環境」があれば、それを用意してもらえれば、当事者にとっては一番有り難いことです。なお、会社関係者としても、理解してあげたい気持ちと、会社としての対応の問題に挟まれておられるかもしれません。また、当事者としても、利害関係の中では、やはり最初からオープンに話しはできないかもしれません。その際には、私達が間に入りお話しを聞くことも可能ですので、ご遠慮なくご相談ください。
なお、以下はこうした声や要望がある・・、という一例に過ぎません。また当事者の考え方も一辺倒ではありません。ですから、決め付けではなく、傾聴するお気持ちをお願いいたします。

セクシャルマイノリティ当事者の要望について

セクシャルマイノリティ当事者の要望について

参考:要望例

  • 性別を理由に業務内容や部署を決めないで欲しい
  • 腫れ物を触るような扱いをして欲しくない
  • (性別を中心に物事を考えないで欲しい。能力や性格に左右されることはない。あくまでも1人の人間、社員として見て欲しい。そこに性別の問題をごっちゃにしないで)
  • カミングアウトをするorしないということを、採用時に本人に決めさせて欲しい。
  • 嫌悪感を抱くのであれば、素直に伝えて欲しい。
  • セクシャルマイノリティであることで合否の左右をしてほしくない。
  • できれば履歴書の性別欄が無いものの使用も許可してもらいたい。

周囲にカミングアウトを望む場合

  • 徹底的に通称名、制服、トイレ、扱いなども本人が希望する性での環境で過ごさせて欲しい
  • 「治療に関して」の理解はして欲しい(※ SRS手術を行う前であれば、その為に休むこともあり得ますから、その際の配慮など)
  • 壁を作らないで欲しい(※カミングアウトをする方の多くは、オープンな方なので、あまり気を遣われるよりも気になることは、直接本人に聞いてもらえるとありがたいです。たとえばトイレのことなど)。

周囲にカミングアウトを望まない場合

  • 一部の上司(知っておかなければならない人)のみで留めて欲しい。一切、口外しないで欲しい。
  • 徹底的に通称名、制服、トイレ、扱いなども本人が希望する性での環境で過ごさせて欲しい(見た目でどうしても分かってしま方もいますが、そうでない方もいます)
  • 書類上どうしても、性別が関係してくる場合は、勝手に判断せずに面倒をかけますが本人に説明して下さい。どういう場でこういう理由で旧姓、戸籍の記入使用をするのかある意味「秘密」を共有していると言う認識で情報を扱って下さい。

周囲の方にカミングアウトを望まない場合には、どうしても気を遣わざるをえないこともあるかと思います。ただ、上の例をお読みいただけるとお分かりのように、日常、頻繁に気を遣う場面はありませんし、いずれにしても、ポイントを抑えていただければよいわけです。ですから、面倒くさいというようには思われないでくださいね。

会社関係者の方に取っていただきた対応など

  • カミングアウトの場を設ける
  • 本人が望む場合には、社報で本人の想いを伝達する
  • カミングアウトをどうするかに関わらず、誰かに社内生活の不都合を相談したい場面はあると思います。その際に、お話しを経由する方は、特定の方を決めておいていただければありがたいです。

もし、当事者の方が会社にいれば、上述を参考に、もしくはプリントしてお渡しいただき、その方の気持ちを聞いてもらえますでしょうか。これをお読みいただいている程の方ですから、無いとは思いますが、「会社としてはこうしたい・・」というように、会社の考えありきではなく、まずはご本人に問うてみてください。
そこで、そうは言っても会社としても対応が分からない・・、となりましたら、どうかご相談ください。ご本人との橋渡しをすることもできるかもしれません。

当事者の声(会社に言いたい!)

「すこしでも働きやすい環境に」
社会人4年目(IT企業勤務)/ 女性:バイセクシャル
私には同性のパートナーがいますが、4年目になり、会議で上司から結婚について聞かれる事がありました。他の上司や後輩がいる中で、思わず、パートナーは女性であるとカミングアウトしました。私の勤めている会社では、女性が長く働けるように、としているのですが、まだまだ難しい現状があります。
会社としても長く働いてくれるかどうか見極めるのも大切なのは分かりますが、私だけでなく「結婚が近いか(もうすぐ辞めるのか)」聞かれていい気分がする人は少ないと思います。それは私の会社だけでなく、いまの日本の現状から変えなければならないのだと思いますが。今回カミングアウトして、特に状況が変わったことはありませんでした。信頼していた先輩は、理解してくれて、わざわざ電話をくださいました。ただ、その上司から他の社員へ伝わり、50名近い人へ知られることとなりました。
私は気にしていませんし、他の事でも同じようになったのかもしれません。「○○(私の名前)の人生に関わるようなことを、人にそんな風に言うのはひどい」と、先輩が言ってくれたことに救われた気がします。同期も、一緒になって怒ってくれました。職場や、勤務年数などによって、カミングアウトした後の状況や、話しやすさというのは変わってくると思います。
どんな場所でも、少しでも働きやすくなるように、性的少数者のことだけでなく、様々なマイノリティのことを企業が理解してくれるというのはとても大きいことだと思います。たとえば会社にLGBTのポスターが貼ってあるとか。人権週間があるとか。ちょっとずつ変わっていくことを願っています。
「どうしたらいいの?」
大学4回生
ノンセク/バイセクシャル
現在私は、就職活動中で戸籍上は女性ですが、私自身に男だとか女だとかいう概念はありません。性別=自分だと思っています。しかし、就活ともなると服装のことでまた悩まされます。メンズスーツも着るに着れず、かといってレディーススーツのスカートは履きたくないのでパンツスーツを着用していますが、その中でもボディラインが強調されないものを選んでいます。自分の性自認がはっきりとしていない場合、端から見たら、戸籍上のまま(女性)でよいではないかと言われてしまいますし、私の場合性別を変えたい訳では無いので、中々理解してもらえないのが辛いです。。

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セクマイの方が、パートナーと幸せな家庭を築くための手段をピックアップして説明しています。パートナーとの結婚・病気時などのお世話・老後・財産・関係解消時のことまで、詳細に説明をしています。なお、皆さんの思いとしては、「私たちは、ここまでしなくてはいけないのか、理不尽を感じる」というものもあるかもしれません。けれど、これらで、パートナーの将来(財産)や、お互いの関わり(互いのお世話など)を護ることができるわけです。そして、1つずつ、自分達の今後を確認しながらする手続きや作業は、必ず二人の絆を深めると信じています。LinkIconメニューの詳細はこちらから.